船は水の上を進んでいきますが、スイスイ進んでいるようで実は大きな抵抗が3つもあるのです。

  1. 造波抵抗
  2. 摩擦抵抗
  3. 粘性圧力抵抗(造渦抵抗)

1.造波抵抗

船が速く進もうとすると波を立てますよね。その波が進む際の抵抗となるのです。したがって、この抵抗は高速船や小型ボートなどに大きく見られます。

造波抵抗を減らす対策

  • バルバスバウをつける
  • なめらかでスリムな船型を設計する など

バルバスバウと呼ばれる球体のような部分を船の先端の水面下につけてあげると、船が造る波と球体が造る波が打ち消しあって、造波抵抗を減らすことができます。(『バルバスバウ誕生の歴史から現在まで』)
また、なるべくスリムで波を立てにくい形状に設計することが大切です。

2.摩擦抵抗

船が水に接している部分(水面下の部分)において、進行方向と逆向きにかかる摩擦の力が抵抗となります。物理の世界では、物体と物体が接しているとき、どちらかが動こうとするとそれを妨げようとする向きに力が働きます。これが摩擦です。水の場合も同様なのですね。
1の抵抗が少ないタンカーなどの低速船だと、この摩擦抵抗が全抵抗のうち約80%も占めています。

摩擦抵抗を減らす対策

  • 摩擦を減らす塗料を塗る
  • マイクロバブルの装置を導入する など

船底に塗る塗料は実にさまざまな種類があり、なかにはマグロやイルカなどの成分を模擬したものもあります。最先端の塗料を選べば摩擦抵抗をかなり減らすことができます。
また、マイクロバブルと呼ばれる小さな泡を船底にふき出させることで、船底が泡のカーペットに包まれた状態になり、水とのあいだの摩擦を減らすことができます。

3.粘性圧力抵抗(造渦抵抗)

船の先端から船に沿うように流れてくる水の層が、船尾のほうにくるにつれて圧力に耐えられなくなり、”剥離(はくり)”、つまり船体から剥がれてしまい渦になることで抵抗となります。このほかにも、プロペラが造る渦や、船底の水が剥がれる際に造る渦など、船尾の水の流れはとても複雑になっています。これはまだ詳しく分かっておらず、3D立体モデルでCFD(Computational Fluid Dynamics)と呼ばれる数値計算法を用いてコンピュータ解析したり、模型実験で水の流れを可視化したりすることで、解明を進めています。

粘性圧力抵抗(造渦抵抗)を減らす対策

  • 船体を流線形にする(船尾のスリム化)
  • 二重反転プロペラをつける など

船がきれいな流線形をしていれば、船のまわりに沿った水が剥がれることなく船尾まで流れ、渦が少なくなります。海の住人・お魚をみればわかりますね。
また、二重反転プロペラをつけると、1つのプロペラが造る渦をもう1つの逆向きのプロペラが打ち消してくれるため、ムダな抵抗を減らすことができます。

Share this:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です