自動車やトラック、バスなどの重量車を運ぶ船を、自動車運搬船といいます。
国内船で約1000台、国際船で約6000~8000台、積むことができます。

英語では、
PCC: Pure Car Carrier(乗用車を運ぶ)
PCTC: Pure Car & Truck Carrier(乗用車やトラックなどを運ぶ)
などと呼びます。

なぜ”Pure”という言葉がついているのでしょうか?
“Pure”というのは”混ざっていない”、”純粋にそれだけ”、といったニュアンスの単語で、”純自動車専用運搬船”といった意味合いです。というのも、昔は自動車だけを専用とする船はなく、他の貨物と一緒に運んでいたのです。

自動車運搬船の歴史

1950年代

他の貨物と一緒に、クレーンで吊り上げて積みこみ/荷揚げしていました。(これをLift-on/Lift-off方式といい、略してLO/LO方式といいます)

1960年代

自動車の輸出入が盛んになり、自動車専用船PCCの建造が始まりました。ランプウェー(ramp way)と呼ばれるスロープを船に取り付け、自動車を自走させて積み込み/荷揚げするようになりました。(これをRoll-on/Roll-off方式といい、略してRO/RO方式といいます)これにより、自動車の荷役効率が大幅にアップしました。

1980年代

自動車やトラック、バス、重機なども運べるPCTCの建造が始まりました。それ以来、ほとんどの自動車運搬船がPCTC型で建造されています。小型自動車などを現地生産するようになり輸出入量が減っても、トラックや農業機械など特殊・大型車両の輸出入は年々増えていったためです。

自動車運搬船の構造

概要

自動車運搬船はなるべくたくさん自動車を積めるよう、縦型の箱のような形をしており、まるで何階建てもの駐車場のように各デッキが作られています。積み込む際のランプウェーは船の両サイドと船尾に設置されていることが多いです。Side ramp, Stern rampなどと呼ばれます。

自動車の積み込みとラッシング(固定)

デッキ上に自動車を10cm~30cm感覚で、ほぼ隙間なく駐車させていきます。gang(ギャング)と呼ばれる、高い運転技術をもった運転手集団が1台1台運転し、積み込んでいきます。デッキ床には小さい穴が等間隔で空けられており、この穴を利用して専用のベルトのような素材で車を固定します。(lashing, ラッシングと言います)ラッシングベルトとなる素材はポリエステルなどから作られており、摩擦や圧力に強くできています。

天井・床が動く!

PCTCの場合は、どのような大型車両がきても対応できるように、デッキの高さを自由に調整できるようになっています。大きな車両を積み込むときはデッキそのものの高さを変更して空間を広く取ります。デッキは固定のデッキと高さ調整可能なデッキの2種類に分かれており、高さ調整可能なデッキのほうを英語で、
・Liftable deck
・Movable deck
・Hoistable deck などと言います。
自動で動くデッキもあれば、カーリフターなどで手動で動かすデッキもあります。

風に弱い

自動車運搬船は高さのある船ですので風には弱く、空気抵抗を受けるだけでなく、操船するうえでも思う方向に進めない、推進力が下がるなどの課題が出やすくなります。そのため、各社が自動車運搬船の形状には細かい工夫を施しています。メジャーなのは、コーナーカットです。全面や側面のエッジ部分を斜めにカットすることで、風を逃すはたらきをしています。または、思い切って船首部分をまるいラウンド形状にしている船もあります。

自動車の積み込み風景

マツダの自動車積み込み風景を見られます。この速さでここまで正確に駐車できるとは、、感動ものです!

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