バラ積み船とは

バラ積み船は、穀物や石炭、鉄鉱石などを運ぶ船です。
バラ積みの「バラ」というのは、いわゆる”バラ売り”などのバラのことです。”バラ売り”は漢字で「散売り」と書きます。つまり、散らばってる状態、まとめられていない状態を意味します。

※バラ積み船は、英語ではいろんな呼びかたがあります。

  • bulk carrier(バルクキャリアー):bulkは積荷・貨物、carrierは運ぶものといった意味です
  • bulk freighter(バルクフレイター):freighterはものを運ぶ大きな船・飛行機などの輸送機関を意味します
  • bulker(バルカー):こちらは口語表現なので、正式な書類などでは出てきません

さて、コンテナ船ではものをコンテナに収納して積み上げていました。
比べて、バラ積み船は、ものを梱包したりしないでそのまま船の倉庫部分に積みます。多少汚れても問題のない品物だったり、大量に必要となる品物だったりするので、このほうが合理的ですね。

バラ積み船の断面は一般的にこのような形をしています。角4カ所にタンクがあり、水などを入れて喫水を調整します。またこのような形をしていることで、貨物をクレーンで取り出す際に角に残すことなく綺麗に取り出せますし、航海中の荷崩れも防止することができます。

バラ積み船の主な貨物

バラ積み船では、主に次のような品物を運びます。

  • 穀物 grains
      主に飼料用の穀物で、小麦やトウモロコシなどが多いです。家畜(牛・豚・鶏など)が食べるエサとなります。

  • 石炭 coals
      主に火力発電用の燃料となります。金属の材料にもなります。

  • 鉱石 ores
      主に鉄や金属を作るのに必要となります。

  • セメント cement
      主に建物や道路・橋などを作るのに必要なコンクリートの材料となります。

    いずれも資源の少ない日本に住む私たちには欠かせない物ばかりです。

    バラ積み船の構造と貨物の積みかた

    代表的なバラ積み船の構造です。倉庫部分はいくつかの区画(Hold)に分かれており、それぞれハッチ(Hatch)と呼ばれるフタがついています。区画を仕切る壁は横隔壁(Transverse Bulkhead)といいます。これらの区画にそれぞれ異なる種類の貨物を入れることはよくあります。

    貨物の積みかたにはいくつかパターンがあります。
    これは、貨物の種類によって密度が異なり、満タンに入れたときの重量が変わってくるため、バランスを考えて積まないと船が変形してしまうからです。また、貨物が少ないときもバランスを考えて積まないと船全体の重量バランスがうまく取れなくなるのです。

    積みかたのタイプ:

    1. Homogeneous hold loading condition(すべて均等に満タンに積む)
    2. Alternate hold loading condition(1つおきに満タンに積む)
    3. Block/Part hold loading condition(部分的に少量を積む)

     
    1. Homogeneous hold loading condition(すべて均等に満タンに積む)
    一般的に石炭や穀物などの軽いものを積むときに適用されます。すべてのHoldに満タンに積みます。

    2. Alternate hold loading condition(1つおきに満タンに積む)
    鉄鉱石などの重たいもの(比重の大きいもの)を積むときに適用される積みかたです。
    奇数番号のHoldに満タンに積み、偶数番号のHoldはカラにしておきます。

    ※全てのHoldに半分ずつ積んでしまうと、貨物の重心が船底のほうへ下がってしまい、船の横揺れが大きくなってしまいます。1つおきに満タンに積むことで、貨物の重心を上げることができ、横揺れの動きを抑えることができます。
    ※ただし、奇数番号のHoldには貨物から大きな力(荷重)がかかってしまうため、あらかじめこのような積みかたを考慮して強化設計された船でないと適用してはいけません。また船級協会からの認可も必要となります。

    3. Block/Part hold loading condition(部分的に少量を積む)
    貨物の量が少ないときは、次のような積みかたをすることもあります。

    貨物が少ない→全体的に軽い→喫水(水に沈む部分)が少なくなる→浮力が小さくなる
    にも関わらず、いくつかのHoldに満タンに積んでしまうと、船底にかかる貨物からの荷重に浮力が対抗できず、船底の変形などにつながる恐れがあります。なので、全体的に少なく積む方法をとります。
    ※ただしこの場合、通常の喫水よりもはるかに小さくなるため、安全に航海できるかどうか慎重に確認する必要があります。また、あらかじめこのような積みかたを考慮して強化設計された船でないと適用してはいけません。

    単純にバラ積みで運ぶ、といってもいろんな事情が考慮されて成り立っているのですね。

    Share this:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です