船の業界外の人と話をするとき、またTVで商船の事故などが報じられるとき、その船がバラ積み船であっても「タンカー」と呼ばれたりしていることが時々あります。船や海に関係する環境にいなければ、パッと見て何船なのかを判断するのは難しいかもしれません。
そこで、外見から船の種類をざっくり見分けるためのポイント(それぞれの船の特徴)を紹介します。
※内航船や外航船によっても異なりますし、運ぶ荷物が1種類ではなく兼務になっている船もあり、必ずしもこの通りではありません。船の種類はもっと他にもたくさんあります。あくまでざっくりと見分けるための参考にしてください。
タンカー(原油タンカー)
船の世界では一般的に「タンカー」というとオイルタンカー(原油タンカー)のことを差すことが多いです。(「タンカー」の意味としては”液体を運ぶ船”なので、たとえば化学物質の液体を運ぶような船も「ケミカルタンカー」と呼んだりしますがここでは省略します)
【タンカーの特徴】
・デッキの上にたくさんのパイプが見える
・デッキの上に大きなクレーン設備は見られない(中央部に小さいクレーン1~2個はある)
・基本的に船体が大きい
・デッキの上にたくさんのパイプが見える
・デッキの上に大きなクレーン設備は見られない(中央部に小さいクレーン1~2個はある)
・基本的に船体が大きい
バラ積み船
【バラ積み船の特徴】
・デッキの上にハッチ(貨物倉のフタ)が見える
・デッキの上にパイプは見られない
・デッキの上にクレーン設備がある船もある
・デッキの上にハッチ(貨物倉のフタ)が見える
・デッキの上にパイプは見られない
・デッキの上にクレーン設備がある船もある
コンテナ船
【コンテナ船の特徴】
・コンテナが搭載されている(カラのときはコンテナの仕切り”ガイドレール”が見える)
・居住区部分が船の中央部近くについている場合もある
・コンテナが搭載されている(カラのときはコンテナの仕切り”ガイドレール”が見える)
・居住区部分が船の中央部近くについている場合もある
LNG船/LPG船
【LNG船/LPG船の特徴】
・デッキの上にさまざまな形状のタンクが見える(角型タンクの場合は何も見えない)
・船のサイドまたはタンクに”LNG”、”LPG”と書かれている場合が多い
・デッキの上にさまざまな形状のタンクが見える(角型タンクの場合は何も見えない)
・船のサイドまたはタンクに”LNG”、”LPG”と書かれている場合が多い
自動車運搬船(PCTC)
【自動車運搬船(PCTC)の特徴】
・船の乾舷(=横壁の高さ)が高く、角ばった印象の船体形状。
・船の横中央や船尾あたりに車が乗り降りできるランプウェイがついている
※RORO船とは見分けがつかないことがある
・船の乾舷(=横壁の高さ)が高く、角ばった印象の船体形状。
・船の横中央や船尾あたりに車が乗り降りできるランプウェイがついている
※RORO船とは見分けがつかないことがある
砂利船(ガット船)
【砂利船(ガット船)の特徴】
・大きなクレーンとその先に”ガット”と呼ばれるグラブバケット(砂利をつかみとる装置、UFOキャッチャーの先のようなイメージ)がついている
・大きなクレーンとその先に”ガット”と呼ばれるグラブバケット(砂利をつかみとる装置、UFOキャッチャーの先のようなイメージ)がついている
セメント運搬船
【セメント運搬船の特徴】
・デッキの上に複雑な構造物が見える
・船のサイドにセメント会社の名前が書かれていることもある
・デッキの上に複雑な構造物が見える
・船のサイドにセメント会社の名前が書かれていることもある
木材運搬船
【木材運搬船の特徴】
・デッキの上にクレーン設備と木材を支えるフレームのようなものがついている
・デッキの上にクレーン設備と木材を支えるフレームのようなものがついている
以上、船を見かけたときは何船か当ててみてください。答え合わせをするには、船の情報を見れるAISアプリ『FindShip』や『MarineTraffic』を使うと、目の前の船が何船なのか知ることができますよ。
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