船の進行方向に対して、前は船首、後ろは船尾といいます。これを大昔から日本ではオモテ、トモと呼んでいます。(セットで呼ぶ場合は、”トモ・オモテ”ということが多いです)
オモテは艏(みよし、みおし)という漢字が当てられます。まさに”船首”をそのまま縮めたような漢字ですね。前面は水を押して進むことから、みずおし→みおし となったと言われています。船の表側なのでオモテと呼ぶようになったのでしょうか。
トモは艫(とも、ろ)という漢字があり、中国語でもこれは船尾を表します。日本語でトモと呼ぶ理由は諸説ありますが、船尾は船首に伴う(ともなう)ことからトモとなった説もあります。
いずれにしても由来はよく分かっていないですが、未だに船の世界では”トモ・オモテ”の言葉が頻繁に使われています。
では、英語では船首・船尾はどのように表現するのでしょうか。
船首→ bow
船尾→ stern
と表したり、
船首→ fore
船尾→ aft
と表したりします。
使いかたはそれぞれ物や状況に合わせていろいろで、例えば船首側・船尾側についてるサイドプロペラのことはbow thruster(バウスラスター)・stern thruster(スターンスラスター)なとと呼びますし、
船首で、船尾で、と言うときは、
at the fore (side)
at the aft (side)
などと呼んだりもします。もちろん、at(/in/on) the bow, at(/in/on) the sternなどとも言います。
また図面表記では一般的にfore-aftを使います。
船・海の世界はとてもグローバルで様々な国の人が関わりますので、英語もこれが必ず正しいというのはなく、人(国)によって言い回しが異なることは多いです。正確に相手に伝わりさえすれば良いと個人的には思います。
【参考】船の右・左を表す右舷・左舷についてはこちらも↓