船は鉄で出来ているし、硬いもの、というイメージがありますが、実はやわらかいのです。
やわらかい、というのは船が縦に長いぶん、曲がったりたわんだりするということです。たとえば、巨大な船の端と端を持って上に持ち上げたとしたら、自らの重みでただちに真っ二つに折れてしまいます。浮力で下から全体的に支えられているからこそ、安全に形を保ちながら航海ができているんですね。

とはいえ、浮力も均一にかかるわけではないため、船には常に負荷がかかっています。
浮力は船が押しのけた分の水の重さだけかかるので、船を部分的に割ってみてみると、真ん中の太った部分は浮力が大きく、端のほうのやせている部分は浮力が小さくなりますね。静かな水の中に浮かべただけでも、曲がらせようとする力がかかるのです。(これを縦曲げモーメントといいます)

それが海に出てみたらどうでしょう。激しい波にもまれます。極端な例を見てみます。
船の長さが波の谷から谷までのところにきたとき、先ほどよりも大きな縦曲げモーメントがかかりますね。この状態を「ホギング Hogging」といいます。

逆に、船の長さが波の山から山までのところにきたとき、船がたわむ方向に縦曲げモーメントがかかります。この状態を「サギング Sagging」といいます。

船は約20年もの寿命のあいだ、ホギングとサギングを何度も何度も繰り返し、負荷に耐えながらがんばっているのですね。
※ときどき海難事故で商船が真っ二つに折れている写真がありますが、ホギング・サギングを繰り返すことで最も疲労がたまるのが船の中央部なので、不思議なことではありません
 

おまけ
~どちらがホギングでどちらがサギングだっけ?~

英語の意味で覚えておけば、どちらが曲げ方向でどちらがたわみ方向だったか間違えないようになります。
★Hog(ホグ)というのは家畜の豚のことを表す単語です。豚の背中はまるい曲線を描いていますね。なのでHogging(ホギング)は上に曲がる方向です。
★Sag(サグ)というのは”たわむ”という意味の単語です。その意味のとおり、Sagging(サギング)は下にたわむ方向です。

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